2020年12月29日 (火)

TV、こわれてなかった

今日TVのスイッチを入れてみました。症状は再現しない。なんで??調べてみたら

イヤフォン端子から音声信号を取り出し、小さいパワーアンプ(激安中華アンプ。ネット通販で¥1600くらい。部品を買ってきて自作するより安い)を使ってFostex P-1000K 自作の粗末な箱)をならしているのですが、・・・イヤフォン端子は裏面のB-CASカードのすぐそば。イヤフォン端子に接続した電線が B-CASカードと干渉していたようです。B-CASカードが接触不良になり時々動作しない。という事だったようです。電線の取り回しを変えて使っていますが、今のところまともに動いています。急いで買わなくてよかった。

2020年12月27日 (日)

テレビなし生活にするか・・・?

TV、こわれた。

今朝キッチンへコーヒーを淹れに行ってTVをつけました。ニュースでも見るか。まずは、お湯を沸かして、ポットとドリッパーを用意して紙フィルターを1枚出して。

とやっていたら、いきなりTVがダウン。再度TVの電源を On。様子を見ていたら、数分で画面がフリーズ、音声が出ない状態になり、しばらく後に電源断。再度電源を入れると、まともに映るものの数分で同じ症状になりました。数回やってみたけど状況は同じ。う~ん、こりゃ~壊れたね・・・。

修理はあり得ない(工場でロボットさんが作るより、相応の技量がある人が修理する方が高いのは当たり前)なので、TVを買うかTVなし生活に突入するか。

現状では、TVはニュースや天気予報は「聞いている」けど「見ていない(観ていない)」状態なので、TVなしでもいいか・・・でもなぁ、元日の「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート」を聞けないのはイヤかなぁ。

で、今、TVを買うかどうか悩んでおります。

2020年12月25日 (金)

キーに割り当てられた機能が変わった

Windows 10(ディスクトップ)を使っていますが、直近の更新で【キーに割り当てられた機能が変更された】ようですね。キーボードから入力していたら「あれ?」というのが多発しました。ミスタッチはよくある事なんで気にしなかったのですが、それにしても頻度が高い。で、ゆっくり、1ストローク毎に確認しながらキー入力してみたら、

スペースキー右側の【変換】キーと【カタカナ ひらがな ローマ字】キーの動きが変わっているのに気づきました。更に調べると、ソフトウエアのベンダーによって動きが異なる。というより、最新版に更新していないソフトとそれ以外で動きが異なる。Microsoft 製のソフトでも以前とは異なる動きをする。

キーボードなんか「手クセ」で打つものなので、こんな所は変えないでほしいなぁ。

それにしても、どんな必用があって変更したのかしら・・・うれしくないなぁ・・・

2020年12月17日 (木)

ESL-63復活と改造プロジェクト(9)

9.ESL専用アンプ・・・トランスっていいものだ


1台目の4つ目のエレメント(1台目の最後のエレメント)のクリーニングにかかりました。年末年始の予定はほぼ全部キャンセルなので、集中して作業・・・なんですが、右手が十分には回復していないみたなので、今年中は無理かな。


クリーニングしながら、構造をどうするかなどと考えていたら、「音声信号用昇圧トランスをなしにできないか」という思いにとらわれました。考えていたら・・・原理的には可能。電池を直列に接続すれば高電圧が得られるように、アンプの出力を直列に接続すれば良い。いいねぇ。


【注:普通のアンプの出力を直列接続してはいけません。出力をショートする事になります。アンプが壊れる可能性は低いけれども、動作しません】


アンプの出力を直列に接続というのは、そのような回路構成のアンプを製作するという意味です。ESL63 のバイアス電圧は 5.25kV。アンプの出力は10.5kV p-p。現実的な(製作可能な)アンプの出力電圧は 500V p-p 程度。ならば、これを 20 個直列にすれば 10kV p-p なんですが・・・問題は GND レベルがアンプ毎に異なるので電源に絶縁トランスが必用だし、入力側にはアイソレーションアンプが必用。アイソレーションアンプは安くはないし、耐電圧はせいぜい 5kV 程度。絶対最大定格ギリギリで使うわけにはいかないし、ならば作るか。と考えたんですけど、現実的ではない。入力側に A/D コンバータを置いてデジタル信号を直列化し、それを光ファイバで 20 個のアンプへ送る。受取った側は D/A 変換して・・・でも全部の D/A が同時に動作する必用があるので同期をとる必用があるし、D/A 自体の変換速度は・・・などと考えると収集がつかない。アンプ 20 個直列なんですけど、ESL63 を駆動するにはプラス側のアンプとマイナス側のアンプが必用なので片チャンネルあたり 40 個。ステレオなんで全部で 80 個。部品代だけで 1 個あたり10万円ですむかしら。その 80 倍は・・・うへぇ~・・・バカ高いスピーカーはあるけど、昇圧トランスなし、専用アンプ内蔵コンデンサスピーカーは見た事ない。ないわけだ。その上、故障率は 80 倍。やってられないね。そもそも、ややこしい回路のアンプを作ったとして、そのアンプ、トランスと比べて、どれほど音がいいの?

という訳で、これは断念。


それにしても、トランスを置き換えるのにン百万円かかるとは思わなかった。トランスって、いいものなんですね・・・。


でも、これを考えるのは結構面白かった。

2020年12月 5日 (土)

ESL-63復活と改造プロジェクト(8)

8.右手を痛めた


メガネ用マイナスドライバを使って固定電極の小穴をクリクリやっていたら、ある日右手に疲れを感じました。「今日はここまでやろうと思っていたのに・・・頑張るか・・・」で、作業を続けました。そのうち右手に痛みを感じたのですが、頑張ってしまいました。こんな事を何日かやっていたある日、右手の薬指、小指あたりが痺れた感じになってしまいました。痺れているだけではなく力が入らないし、思ったように動かない。

作業をやめて様子見していたら、ゆっくりですが回復してきました。どうやらドライバでクリクリが原因のようです。トシなんで回復が遅い。そんな訳で、作業はスローダウン。3つ目のエレメントのクリーニング、まだ終わっていません。最もひどい状態の日には、お箸が使えなかった。フォークをスプーンを用意して・・・

和食をフォークとスプーンで食べたのは初めて。じゃぁない、大昔の離乳食以来かな。いやいや、アメリカの田舎町のショッピングモールのテイクアウト和食屋で食べて以来かな(その店、お箸がなかったんです)

思い出したぞ。その店、お箸がないだけではなくて「焼き魚」を注文したら「アジフライ」が出てきた。文句を言ったら「今日の焼き魚はコレです。間違いはありません」だと。

頑張って作業するのはいいんだけど、無理はよろしくないんです。今は多少の違和感はあるけど、お箸で食事できる程度には回復しています。

2020年11月20日 (金)

コロナ対策:マスクはきちんと着用しましょう

街に出かけると、殆どに人がマスクをしていますね。とっても良いと思いますが、気になる事があります。何が気になるかと言うと【きちんと着用していない人が意外に多い】ように思える事です。

感染者が飛沫を飛ばすのを防ぐ観点ではなく、自分への感染を防ぐ観点で気になる事を書いてみます。


私は医者でも感染症の専門家でもありませんが・・・


顎にマスクは論外として、鼻を覆っていない人が意外に多い。何人かに1人はこんな状態ですね。口から吸い込んだウィルスは危険だが、鼻から吸い込んだウィルスは安全なんて事はあり得ません。呼吸は殆ど鼻で行います。その鼻をカバーしないのでは防御にならないでしょう。鼻もしっかりカバーすべきです。


マスク上端が浮き上がって、鼻の横の部分に隙間がある状態の人はかなり多い、と言うより、殆どの人がこの状態のように思えます。ウィルス自体はとても小さいのでマスクで防ぐ事はできませんが、ウィルスが付着した飛沫ならば、かなりの程度防ぐ事ができます。マスクの効果について書かれたページを読むと「マスクが顔に密着した状態ならば云々」などと書かれています。


マスクの上端部分にはワイヤー状のものが入っていますね。これを上手く曲げると鼻の横の隙間を殆どなくす事ができます。鼻の横の隙間の有無によって感染リスクがどの程度異なるのか判りませんが(ググたけど、見つからない)隙間があっても効果に変わりはないとは思えません。
私はメガネをかけていますが、隙間を最小にするとメガネの曇りが大幅に小さくなります。かなりの空気が鼻の横の隙間を通っているようです。隙間を最小にした場合、どの程度マスクの効果が上がるのかは分かりませんが、より良くなるのは間違いないと思います。
ついでに、鼻の部分を上手く顔にフィットさせると、多少しゃべった程度ではマスクは落ちてきません。

おまけ。布マスク

いろんな布マスクが売られていますね。ナントカ織の布で作ったとか、伝統的なカントカ染の布で作ったとかデザインが面白いとか。でも、マスクとしての性能が低いのでは??と思える物も少なくありません。それでもマスクなしよりはマシなんですが・・・。マスクとしての性能を考えて選ぶべきでしょう。

2020年11月17日 (火)

ESL-63復活と改造プロジェクト(7)

7.バスカットと保護回路7.バスカットと保護回路


この記事「ESL-63復活と改造プロジェクト」には「分解しました」「・・を外しました」などという記述がたくさん出てきますが、これは「私はこんな事をしました」という事を書いただけです。それが適切かどうかは分かりませんし、同じような事をなさって被害が発生しても、私としては何もできません。結果として、あなたの ESL-63 が粗大ゴミになっても責任は負いかねます。同じような事をなさるとしても、あくまでも【自己責任】でお願いします。

まずは「ESL-63復活と改造プロジェクト」の近況


ひどい状態の固定電極のクリーニングが終わりました。2ヵ月以上かかったけど、何とかなりました。これでエレメント2つ分ね。エレメントは全部で8個なんで、先は長いぞ。ふぅ~。今日の午後、3つ目のエレメントをバラシてクリーニングを始めました。まだ古い接着剤などを削ぎ落す段階なので、固定電極の状態はあまり見ていませんが、「ひどい」状態ではないみたいです。


さて、昔の改造の話続き
その頃ネット上で入手した回路図によると、(アンプからの)入力端子直後、昇圧トランスとの間に1.5Ωと220μFを並列にしたものが入っています。図面上では、ある周波数以下を減衰させる、いわゆるバスカットに見えます。並列に入っている220μFは両極性ケミコン(電界コンデンサ)。ケミコンは音が良くないし、両極性はもっと良くない。ケミコンには極性があって、逆方向の電圧をかけてはいけないんですけど、両極性ケミコンは「極性がない」「どちら向きの電圧をかけてもかまわない」ケミコンです。「極性がないケミコン」は不可能なので、実際には2つのケミコンの「-」端子同士を接続したような形になっています。普通のケミコンに逆電圧をかけるのは「禁止」なんですが・・・逆電圧をかけられたケミコンは、どても性能が悪いダイオードに順電圧をかけたような動きをします。これは音を悪くしているに違いない。低音が過大なわけでもないので、バスカットは必要ない。もし必用だったら、プリアンプとパワーアンプの間にケミコンなんか使わないバスカットを入れればいい。というわけで、このケミコンは外す事にしました。外すのは簡単。ニッパーで「プチッ!」とやるだけ。


どれほどの差があるかと、さっそく聴いてみたのですが、高音が出ない・・・なんで?
数日考えて気が付いたのは、ESLは「コンデンサスピーカー」だという事です(あたりまえか)。つまり、スピーカー自体が容量性なんです。という事は、抵抗(1.5Ω)とスピーカー自体がLPF(低域通過フィルター、高音カット)になっているようです。そこで、この抵抗を外す。抵抗の端子間をジャンパ線でショートしました。これで高音もきちんと出るようになりました。
それにしても・・・何でこんな回路(1.5Ωと220μFの並列)なんかが入っているんだろう???


ESL63には過大入力からスピーカーを保護する「保護回路」が付いていますが、これが、何と過大入力が入った時、入力端子間をトライアックで短絡するという物でした。過大入力が入った状態で入力端子間を短絡させると

・パワーアンプが可哀そう。普通、パワーアンプ側に保護回路が入っているので問題はなさそうですが

・短絡させるためのトライアックに大電流が流れる。

トライアックが壊れると保護にならない。から、抵抗を入れた。ら、高音がなくなった。ので、コンデンサも入れた。のではないか、という気がします。絶対に過大入力を入れないならば保護回路は不要。という事で、これも取り外しました。これも外すのは簡単。ニッパーで「プチッ!」とするだけ。
聴いてみて驚きました。過大入力ではない範囲の音がずいぶんクリアになった感じです。なんで?
その当時、回路図を見ても分からなかったのですが・・・今回のプロジェクトで分解したら判りました。過大入力検出部分の「アンテナみたいな記号」は、本当にアンテナだったのです。ESL63には、振動膜を球面状に振動させるための遅延回路が音声信号を昇圧した後にるんですが、このアンテナ、遅延回路付近の電磁波を拾っていました。過大入力が入ると電界(電磁界)の変動が大きくなるので、それを拾おうとしてるようです。が、アンテナからの信号はトランジスタで増幅され、それがタイマーIC(NE555)をキックしているんです。この回路では、保護回路を働かせる「しきい値」が明確ではない上に、タイマーICやトライアックのゲート電圧が不安定になってしまいます。555 への入力は「確実に Off か確実に On」であるべきで、中途半端な値であってはいけないでしょう。トライアックへの入力も同様。という事で、保護回路が半端な動きをしていたのではないか・・・と思っています。

どうであっても、音が良くなったので、まっ、いいか。

2020年11月 3日 (火)

ESL-63復活と改造プロジェクト(6)

6.デッドニング


この記事「ESL-63復活と改造プロジェクト」には「分解しました」「・・を外しました」などという記述がたくさん出てきますが、これは「私はこんな事をしました」という事を書いただけです。それが適切かどうかは分かりませんし、同じような事をなさって被害が発生しても、私としては何もできません。結果として、あなたの ESL-63 が粗大ゴミになっても責任は負いかねます。同じような事をなさるとしても、あくまでも【自己責任】でお願いします。

とりあえず、まともな音になったので、その状態で聞いていたのですが、どうも高域に「ひゃらひゃらした」固有音があるように思えてきました。せっかく貼った防塵フィルムを剥がして固定電極を固定しているプラスチックを弾くように触ると、かなり高い音の共振音が聞こえます。2~3kHzあたりか?バイオリンのE線(1弦)の開放弦あたりかなぁ・・・昔、楽器屋で「バイオリンのE線下さい」と言ったら、店員がA線を出したのを思い出したりして・・・プラスシック枠と固定電極を接着している時に気づくべきだったのですが・・・


こういう共振音が混ざると、音が濁ってしまうんです。共振周波数と等しい音が音源にあるならば、その音が強く響くだけなんですけど、音源の周波数の近くに共振があると、音源の音の振動で刺激されて共振が始まってしまい、共振音が出てしまいます。この共振音、アンプなどの歪などとは全く異なり、元の楽音とは全く関係のない音なんです。これが元の楽音と干渉すると、ひどい音になってしまいます。このような共振音がスピーカーのキャラクター、個性になっていたりして、そのようなキャラクターを好む人がいるのも確かです。でも、私の好みではありません。


どんな音かと言うと・・・アマチュアの、アマチュアとしてもレベルが低いオーケストラには正しい音程を出せない初心者が混ざっていたりします。すると「ヘタな楽団特有の」音になってしまいます。少数の初心者が出す音がオケ全体の音を台無しにしてしまっているんです。まぁ、アマチュアのオーケストラの場合は「おぉ、頑張って一生懸命演奏しているね(^o^)」でいいんですけど、ウチのスピーカーはそうはいきません。


共振をなくすには、共振する物を取り外すのが一番いいと思うんですけど、このプラスチック枠を取り外すわけにはいかない。なんたってエレメントの主要部分なんだから。そこで、プラスチック枠のデッドニングをする事にしました。デッドニングというのは、共振の強さ「Q」(Quality factor)を小さくする事です。振動した時、その振動のエネルギーを熱に変換して消費させる。結果として振動が小さくなる、という方法です。
すぐ思いつくのはブチルゴムですが、それだと剥がすのが大変です。その当時すでに「ESL63は、とっても華奢。いずれ大改造してエレメントは頑丈なフレームに固定したいなぁ」と思っていたので、簡単には剥がせないブチルゴムはやめ。結局油粘土を使う事にしました。プラスチック枠は格子状になっていて、枠1つあたり80個の枠があります。枠は長方形なので、320個の面があります。これに油粘土を付けていきました。プラスチック枠には固定電極が固定されていて、そこには高電圧(昇圧された音声信号)がかかります。固定電極の近くには油粘土を付けないように気を付けて・・・かなり時間がかかりました・・・
出来上がって聞いてみて驚きました。何に驚いたかというと・・・高音域の独特の響きがなくなったのに気づく前に、低音が圧倒的に改善されていたからです。振動膜~固定電極間の静電気力で振動膜が駆動されるわけで、ならば同じ力で固定電極も駆動されるわけで・・・油粘土で重くなった分だけ固定電極が動かなくなり、それだけ振動膜が正確に動くようになった、という事のようです。もちろん、高音域のクセはなくなりました。
ところで、この高音域のクセ、ESL63の高音域の「華」でもあったわけで・・・

2020年10月31日 (土)

ESL-63復活と改造プロジェクト(5)

5.プロジェクト概要

ここまで以前の修理、改造について書いてきましたが、このあたりで今回のプロジェクトについて少し書こうと思います。すでに書いた事以外にも改造したところもあるんですけど、それは後で書くとして、ちょっと目先を変えて。


その後も改造を重ねて「とってもいい音」が出るようになったんですが、数年で放電が始まってしまいました。ピアニッシモで耳を澄ませば放電音が混ざっているのが判る事がある状態から次第に悪化し、ついには聞くに堪えない状態になってしまいました。で、ESLはお休み。部屋の隅で粗大ゴミ状態のESLが眠っていました。捨てなかったのは「そのうち復活させる」つもりだったからです。
そういう訳で今回の復活プロジェクトとなったわけです。修理には分解が必用だし、どうせ分解して修理をするのならば、気に入らない点を全部改造してしまえ。で、「復活と改造」になったのです。


まずは修理。完全に分解して振動膜を張り替える。ネットで検索するとオーストラリアの店(イギリスではない!?)が修理キットを売っているのが分かりました。振動膜用フィルムと接着剤などなどのキットのようです。詳細は調べていませんが「必用な物一式」との事です。それがあるならば修理可能に思えるのでプロジェクトをスタートしました。・・・修理キット、まだ発注してない・・・


手順は天板、化粧ネット、防塵フィルムを外す。ここまでは簡単。次に、追加した接着剤やデッドニング材を剥がす。固定電極のプリント基板と、それを支えるプラスチック枠を傷つけないように・・・2台で1ヵ月くらいかかりました。(1日中やっているわけではないし、お休みの日もあるんで)(デッドニングについては今回書くつもりだったのですが・・・近いうちに書きます。)ここまでは難しくはありません。

次に分解してエレメントを外す。恐る恐るネジを外したりしながら1台を分解しました。予想していなかった構造だったりして、かなりの時間を使いました。オリジナルの筐体は使わないつもりなので、エレメントが破損しないように【だけ】に注意しました。あっ、高圧電源や音声信号の昇圧トランスもオリジナルを使う予定なので、これも壊さないように。


次は清掃。<----- 今ここ

固定電極は薄いプリント基板で、音が出るための穴が開けてあります。直系約 1.5mm の穴が基板1枚あたり約 12,000 個あります。1台あたりエレメントが4つ。エレメント1つに固定電極が2枚。2台で16枚の基板が使われています。問題なのは、その穴の中に古い接着剤のカスとか空気中の油分と埃の混合物とかが付着している事です。どうやってこれを掃除するか。油分と埃の混合物は大したことはないようですが、古い接着剤のカスを取るのが大変。すぐに思いつくのは「リーマー」なんですが、穴径が良く分からないし、インチサイズの可能性もある。リーマー自体は 0.1mm 単位であるんですけど、どれを買えば良いのか分からない。その上、安くない。(1本ン千円)(注:穴を大きくするための「テーパーリーマー」ではなく、穴の内側を仕上げる「リーマー」です。念のため。)色々試した結果、メガネ用のマイナスドライバで「クリクリ」やる方法に落ち着きました。それにしても、固定電極は1台あたり8枚。全部で16枚。始めてみると、1枚あたり1週間強。ならば全部で4~5ヵ月かな。最初のエレメントの2枚と、2つ目のエレメントの前面の基板はその程度で出来たんですけど、後面の基板が大変。後面の基板の振動膜側には布が貼ってあるんです。多分「これを貼ると高音が・・・」とか、いわゆる「音作り」の結果だと思うんですけど、こういう「あいまいな物」で音作りなどすべきではない。と思うので、この布は剥がして捨てる・・・剥がさないと穴の内側のクリーニングが出来ないし。ところが、2つ目の後面に使われていた接着剤が1つ目とは異なる上、分厚く塗られていました。更に振動膜側には塗料と思えるものがベッタリ。かなり分厚く塗られていました。この塗料、一部はひび割れていて、少しつつくとポロポロ落ちる部分もありました。こんな物が固定電極と振動膜の間に落ちると面白くないので、これも剥がす事にしたんですけど、これが大変。ポロポロ落ちる部分は簡単なんですけど、場所によっては強固にくっついている。削り落とすしかなさそう。サンドペーパーやスチールウールでは強力すぎて基板にダメージがありそうです。色々やってみた結果、スポンジたわしで削り取るのが良さそう。あまり強力ではないので、一気に削り取るというわけにはいきません。長い時間がかかります。その上、この接着剤や塗料、当たり前だけど穴の内側にも付着しています。眼鏡用ドライバで「クリクリ」とやっても、一気に落とすというわけにはいきません。という訳で長い時間がかかります。この1枚とは、もう2ヵ月も格闘していますが、まだ終わらない。まぁ、納期があるわけではないし、時間がかかるのは構わないけど、いつ出来るんだろう。残りの12枚にこんなのがない事を祈るばかりです。


改造(予定)

修理していて気になったのは、とにかく作りが華奢な事です。特にエレメント(発音ユニット)に外力がかかってしまう構造なのが気になります。取扱説明書には移動させる時にどこを持つべきか、なんて事が書いてあったような記憶があります。ひょっとしたらオーディオショップで聞いただけかも知れませんが。標準品(パンチングメタルの保護パネルがある状態)でも「持ち方注意」なんです。保護パネルは構造材でもあったんです。それを外しているので、大変。いずれにしても、ヘタな所を持って移動させたりしたら、エレメントに力がかかってしまいます。
そこで、強固なフレームを作って、それにエレメントを固定しようと思っています。フレームは絶縁物なのが望ましいので、アクリルの厚板を使う予定です。幸いアクリル板を加工して販売してくれる業者があります。最初は 30t くらいの厚板にエレメント部分の角穴を空けて・・・と思っていたのですが、10t くらいの板状のものを重ねてボルトで止める事にしようか、と思っています。理由はフレームが振動した時、アクリル同士が異なる動きをして、接する面の摩擦によって振動エネルギーをロスらせる事ができるのだは? と思ったからです。それに、薄い(と言っても 10t くらいですが)板を重ねた方が作りやすい。「部分的にカットして」が、「その部分の枚数を減らして」で済みそうだからです。
アクリルのフレームは木で作った外筐に「ゆるく」固定するつもり。外筐を持って扱ってもアクリルフレームにかかる力を最小限にしたい。高圧電源や音声信号の昇圧はオリジナルのまま。保護回路(過大入力があった時スピーカーを保護する回路)は全部撤去。保護回路にはサイリスタやツェナーダイオードが使われているのですが、音声信号の部分にそんな物が入るのは面白くない。サイリスタはOff状態だし、ツェナーダイオードは降伏電圧以下なんで影響はないんだろうけど、気持ちが良くない。過大入力を加えなければいいので、撤去。


早ければ来年の春ごろ完成のつもりだったけど、基板のクリーニングに手こずっているので、大幅に遅れそう。一体いつできるんだろう。・・・遅れても完成すればいいか。途中で失敗して本当の粗大ゴミになる可能性もあるんだし・・・でもなぁ。完成しないと聞けないんですよね・・・。などと言いながら、ここ数日は疲れを感じたので、それにDBの第2版に面白そうなアイデアを思いついたので、修理はお休み。

この後(清掃完了後)の予定は

採寸、フレーム設計、部材発注、組み立て。

2020年10月27日 (火)

ESL-63復活と改造プロジェクト(4)

4.防塵フィルム

この記事「ESL-63復活と改造プロジェクト」には「分解しました」「・・を外しました」などという記述がたくさん出てきますが、これは「私はこんな事をしました」という事を書いただけです。それが適切かどうかは分かりませんし、同じような事をなさって被害が発生しても、私としては何もできません。結果として、あなたの ESL-63 が粗大ゴミになっても責任は負いかねます。同じような事をなさるとしても、あくまでも【自己責任】でお願いします。


ESLは高電圧を使うので「高圧集塵機」みたいなものです。そのためか「防塵フィルム」が貼ってあるんです。これを貼るのですが、どんなフィルムをどのようのに貼ればいいのか??フレームの縁の部分に両面テープで貼るのは確かなんですけど、張力は? 適当な両面テープは?

最初に試したのはサランラップ。入手簡単。お手軽。サランラップは幅が狭く、必用な面積を覆うには不足で、いくつか並べて貼らなくてはなりません。最初は継ぎ目から埃が入るのを嫌ってガムテープで目張りしたのですが、音は最悪。高音がきつく、低音が出ない。中音もやたら荒っぽい。全部はがしてやりなおし。今度はガムテープなし。フィルムの継ぎ目はどうする??ラップ同士がくっつくだろうし、まっ、いいか。
聞いてみると、音は出るし異常音は出ないんですが、音が良くない。ラップの材質が問題なのか貼り方が問題なのか。継ぎ目があるのが問題なのか。こうなったら納得するまで何回でも張り替えてやるぜ。。。。ふぅ~。。。。
63Proに限らずコンデンサスピーカーは壁に近づけてはダメ・・という事は、振動膜の前後には何も無いのが良い・・防塵フィルムの与える影響の大きさに驚きました。サランラップの厚さは、約20ミクロンですが、本来のフィルムはずっと薄いようです。フィルムの材質以前に厚み(質量?)が問題なのかな。継目の部分は40ミクロン厚だし。何とか継目なしで、でもそんなに大きなフィルムがあるか?ネット検索すると「ESL63防塵フィルム用」のフィルムがあったのですが、50ドルくらい。高い。貼り方が分かるまでは安いフィルムを使いたいけど、そんな物あるのか・・・

ありました。45Lゴミ袋を切り裂くと、十分な大きさがあります。厚みは15~20ミクロン程度。元気が出たら、やってみるぞ。元気が出るまでに何週間か経ちました。
さてさて、ゴミ袋防塵フィルム。近場のホムセンターへ買いに行きました。薄い方がいい。とうい事で、ゴミ袋のパッケージを手に取って厚さを確認~棚に戻す、を繰り返す【挙動不審な客】をやってしまいました。買ったのは15ミクロンのポリエチレンのゴミ袋。これを何通りかの貼り方で試してみました。使った両面テープもホームセンターで買った「強力」というもの。できるだけ引っ張りながらてビンビンに貼るのが良いのが分かりました。でも治具もない状態での手作業では、どうしてもたるみが残ります。この時期にネットから入手した情報に「フィルムのたるみを取るためにヒートガンで加熱する」というのがありました。写真付きの記事で「フィルムのたるみを取るために加熱しているところ」とかの説明がありました。その記事自体があるのは知っていたのですが、リンクのタイトルは「ESL63の製造工程」かなんかで、工場の写真を見てもねぇ。で、見ずにいたのですが見てみると参考になりました。見でみるもんだね。やってみるとフィルムが収縮して、たるみがなくなります。うん、良さそうだね。まともな音が出ました。結局、ゴミ袋仕様でOKとしました。

でも「強力」両面テープではフィルムに十分には接着しない・・・暫くすると、たるみが出てしまいました。「超強力」両面テープでやり直し。オリジナル状態ではフィルムの縁からフレームにかけてガムテープが張ってあります。この問題の対策かな。

「超強力」テープでもたるみが出てしまいました。でも、まともな音なので放置。


次回は「デッドニング」のつもりだったけど、今の状況をいくらか書くかもしれない。