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2022年1月19日 (水)

ESL-63復活と改造プロジェクト(12)

長らく止まっていた「ESL-63復活と改造プロジェクト」ですが、どうにか作業ができそうな状態になりました。DBいじりの方が面白い以外に「仕上がりの姿」が見えなくなってしまったからです。どういう事かと言うと

・発音エレメントは強固なフレームに固定する。

・フレームは外筐に「ゆるく」固定する。

のは変わっていないのですが、その構造をどうするか。が問題だったのです。考えているうちに、どんどん複雑になってしまいました。で、一旦リセット。考え直していたら、逆にどんどん単純な構造になってきました。単純になるのは方向性が正しい場合が多いんですよね。

それをベースに「お絵描き」(図面を書くこと)をやっています。ラフではあるけど、縮尺を決めて絵をかいています。何とかいけそう。

改造案にいくつか追加しました。

・エレメントのプラスチック枠に固定電極(紙エポキシ基板)を接着するのですが、これが剥がれると放電が始まってしまいます。オリジナルが放電を始めたのも、コレが原因と思われます。そこでプラスチック枠と固定電極の穴を細い糸で縛り付けようかと思っています。

・固定電極に鉛シート(0.3ミリ厚)を貼り付ける。もちろん音が通る穴を開けなくてはなりませんが、薄い鉛シートなので簡単に開ける事ができます。問題は数が多い事(数万カ所)。やれやれ。でも、やる予定です。と言うのは、

以前プラ枠の高音域での共振音を消そうとして油粘土でデッドニングした時、高音域のクセがとれると同時に低音域がぐっと良くなったからです。枠が重くなった、振動膜と固定電極、枠の質量比が大きくなったからでしょう。ならば、固定電極自体も重くしてやれ。固定電極のデッドニングにもなるしね。

振動膜の厚さは不明ですが、10ミクロンと仮定して、固定電極の厚さは0.5ミリ。比重が同じならば質量比は50倍程度。これに0.3ミリ圧の鉛(比重11くらい)を貼れば質量比は400程度になります。期待できそう。

・ついでに、プラ枠のデッドニング材は鉛シートに変更。

それにしても・・・当面の作業はプラ枠の古い接着剤落しと固定電極の洗浄。長く面白くない作業になりそうです。

2021年6月30日 (水)

データベース、スマホ版とスピーカー

RecLibデータベースのスマホ版を作っています。

いわゆる「スマホアプリ」ではなく、画面幅が狭い端末でも「使い物になる」HTML を出力するサーバーアプリです。

主要ロジック(検索とか更新とか)は変更なし。幅の狭い画面に合わせて「改行する」とか「規定サイズを超えた文字列は折り返す」とか【だけ】なんで、大したことはあるまいと思っていたのですが、どうして、どうして。

ブラウザの「領域の幅を越えた文字列の処理」が良く分からないし、コレ、ブラウザのバグでは・・・てなのもあるし。style XXX を XXX とすると「文字列は折り返されます」。確かにそうなんだけど、その領域にあるボタンなどは、はみ出して表示されたりするし、ボタンの表示文字列は言語によって変わるし。思っていた以上に面倒。難しいちうよりも「面倒」ですね。でも、何とかする「方法」というか「手口」がつかめてきたので、まあまあ進捗しています。

で、コレのあおりを受けたのが「ESL63復活プロジェクト」。ちっとも進んでいません。こちらも「手口」は見つけたんですが、DBいじりと違って・・・DBいじりは画面単位での作業になるので、半日~数日で結果が出るのですが、スピーカーの方は長い長い作業が進捗するだけ。短期的には「1画面できたぞ」みたいな結果が見えないんですよね。という事で、完全に止まっています。

でもなぁ。やらなくては【聴けない】んで・・・DBが一段落したら(主要なページが出来たら)再開したいですね・・・この2つを同時にやろうとしたのが、そもそも間違いのような気はしますが・・・どちらも注文を受けた「仕事」ではないわけで、まっ、いいか。

さて、来週の火曜日、コロナワクチン接種2回目です。1回目は何ともなかったけど2回目は酷い目にあったなどという報道もあるので、接種後の状態を書くことにします。書込みがなかったら・・・相当ひどい目に遭っている・・・単に怠けているだけかもしれませんが・・・

2021年5月18日 (火)

ESL-63復活と改造プロジェクト(11)やっと再開

プラスチックのフレームに薄く残っている接着剤をどうやって取り除くか、で苦戦していました。そうしたら Windows Update で大トラブル。それが解決したら、今作っている Reclib データベースの第2版(未公開、まだ公開できる状態ではない)の足回り(システム全体が使う共通部分)にバグを見つけてしまいました。いくつかのメソッドの仕様(動作だけではなく、引数の定義)も変更する事になってしまいました。共通に使うクラス、メソッドなので、それを使っている部分全部を見なおすはめになりました。かなりの手数がかかってしまいました。それをやっている途中に「画面を表示している時にブラウザでズーム(コントロール+、-)すると表示が乱れるのを解決する方法を考え付いて、それをやったり・・・。

そんな事をしながらプラスチック・フレームに残った古い接着剤を取り除く方法を考えては試行錯誤。そんなわけで、ESLー63復活の作業は長い時間止まっていました。

古い接着剤を取り除く良さそうな方法が見つかったので作業を再開しました。その方法は、なんと「洗う」でした。強力な洗剤で洗い、水で流すという方法です。こんなの、何で今まで思いつかなかったの????

マジックリンの「こびりつき油汚れを浮かせて分解」「コンロ・IH 換気扇に」をスポンジたわしにつけてゴシゴシ。適当に洗剤を追加。水で流す。を数回繰り返せばOK。と思われます。

問題なのは作業場所。浴室でもやってみたけど、結局キッチンの流しになりました。「キッチンの流し」というのが問題ですね。たいてい洗わなくてはならない皿や鍋があります(私、おうちゃく者です)。・・・先に皿洗いかよぉ、面倒くさいなぁ。後でやろう・・・この「後でやろう」をやると、あっ、という間に時間が経ってしまいます。困ったもんだ・・・

2021年3月21日 (日)

児島のジャズスペース LAMPへ行ってきました。

時の回廊のマスターに「こんな店があるよ」と教えてもらって、児島の小さなジャズ喫茶「ジャズスペース LAMP」へ行ってきました。老夫婦でやっておられます。「いかにも喫茶店」ではない。通されたのは「普通の家の普通の部屋」でした。ン十年前の基準の応接間かな。「ゆっくり、くつろいでほしい」ので、お客さんは1組(1人)づつだそうです。なので、要予約。

お爺さんとJazz談義、オーディオ談義をウダウダやりながらコーヒーを頂きました。
ガラード401、SME3009(だったと思う。3012だったかも・・?)、オルトフォンSPU-GTのプレーヤー、イコライザーは何だったか忘れた、マッキントッシュC22+MC275。他にトライオードのKT150のアンプ。プリアンプがもう1台。アキュフェーズだったと思う。
スピーカーはJBL4435、アルテックの605(多分クレッシェンド)とタンノイ。タンノイはクラシックのリクエストがあった時だけ使うみたいです。私はJazz好きなので、そしてアルテックはあんまり好きじゃないので、JBLだけ聞きました。いい音。
Jazz談義、オーディオ談義をウダウダやりながら・・・が苦手な方にはお勧めではないかも知れませんね。なにしろ、他には「お客さん」はいないんだから。


ジャズスペース LAMP 【要予約】

岡山県倉敷市児島味野上2-7-40  Tel:086-472-4983
住所で検索すると「鮎かど釣具店」がヒットしますが、その場所です。

駐車場は1台のみ。釣具店は既に廃業みたいです。
メニューはコーヒーのみ(みたいです)¥800より。

・・・最初「¥600」と書いたけど「¥800」が正しい。ごめんなさい。

2021年1月 2日 (土)

聴衆を指揮しなかったね、ムーティさん

皆さま、あけましておめでとうございます。

昨日(元日)、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートを聴きました(TVなんで、画像付き)。棒はリッカルド・ムーティ。要所々々で拍手の音が聞こえました。なんでも事前登録した世界中の視聴者がオンラインで拍手しているのだとか。ならば最後のラデツキー行進曲では世界中の聴衆を指揮するよね・・・と思って・・・そろそろ終わりだな、美しき青きドナウも終わったし。で、手をたたく準備をして・・・おう、ラデツキー、なんですがムーティさん、カメラに向かって指揮、しなかった。何となく残念。指揮者によっては聴衆を指揮したりはしないんですが、以前ムーティさんは指揮していたような覚えがあります。やっぱし、カメラに向かって(私に向かって)指揮してほしかったなぁ。

さてさて、ESL63復活の作業は、1台目の最後のエレメントのクリーニングがほぼ終わりました(「ほぼ」という事は、まだ終わっていないけど、残り僅か。です)。今までにクリーニングしたエレメントを見なおすと、「きれい」なものから「まっ、いいか」のもの、「これはちょっとねぇ」までいろいろ。その時の気分で「良し」とするレベルが異なっていたようです。どうせやるなら徹底的に、なんで、以前にクリーニングしたものを手直しする事になりそうです・・・と言うか、手直しします。

ところで元に戻って「TVなんで、画像付き」って感覚、TV屋さんに分かるかなあ・・・

2020年12月17日 (木)

ESL-63復活と改造プロジェクト(9)

9.ESL専用アンプ・・・トランスっていいものだ


1台目の4つ目のエレメント(1台目の最後のエレメント)のクリーニングにかかりました。年末年始の予定はほぼ全部キャンセルなので、集中して作業・・・なんですが、右手が十分には回復していないみたなので、今年中は無理かな。


クリーニングしながら、構造をどうするかなどと考えていたら、「音声信号用昇圧トランスをなしにできないか」という思いにとらわれました。考えていたら・・・原理的には可能。電池を直列に接続すれば高電圧が得られるように、アンプの出力を直列に接続すれば良い。いいねぇ。


【注:普通のアンプの出力を直列接続してはいけません。出力をショートする事になります。アンプが壊れる可能性は低いけれども、動作しません】


アンプの出力を直列に接続というのは、そのような回路構成のアンプを製作するという意味です。ESL63 のバイアス電圧は 5.25kV。アンプの出力は10.5kV p-p。現実的な(製作可能な)アンプの出力電圧は 500V p-p 程度。ならば、これを 20 個直列にすれば 10kV p-p なんですが・・・問題は GND レベルがアンプ毎に異なるので電源に絶縁トランスが必用だし、入力側にはアイソレーションアンプが必用。アイソレーションアンプは安くはないし、耐電圧はせいぜい 5kV 程度。絶対最大定格ギリギリで使うわけにはいかないし、ならば作るか。と考えたんですけど、現実的ではない。入力側に A/D コンバータを置いてデジタル信号を直列化し、それを光ファイバで 20 個のアンプへ送る。受取った側は D/A 変換して・・・でも全部の D/A が同時に動作する必用があるので同期をとる必用があるし、D/A 自体の変換速度は・・・などと考えると収集がつかない。アンプ 20 個直列なんですけど、ESL63 を駆動するにはプラス側のアンプとマイナス側のアンプが必用なので片チャンネルあたり 40 個。ステレオなんで全部で 80 個。部品代だけで 1 個あたり10万円ですむかしら。その 80 倍は・・・うへぇ~・・・バカ高いスピーカーはあるけど、昇圧トランスなし、専用アンプ内蔵コンデンサスピーカーは見た事ない。ないわけだ。その上、故障率は 80 倍。やってられないね。そもそも、ややこしい回路のアンプを作ったとして、そのアンプ、トランスと比べて、どれほど音がいいの?

という訳で、これは断念。


それにしても、トランスを置き換えるのにン百万円かかるとは思わなかった。トランスって、いいものなんですね・・・。


でも、これを考えるのは結構面白かった。

2020年12月 5日 (土)

ESL-63復活と改造プロジェクト(8)

8.右手を痛めた


メガネ用マイナスドライバを使って固定電極の小穴をクリクリやっていたら、ある日右手に疲れを感じました。「今日はここまでやろうと思っていたのに・・・頑張るか・・・」で、作業を続けました。そのうち右手に痛みを感じたのですが、頑張ってしまいました。こんな事を何日かやっていたある日、右手の薬指、小指あたりが痺れた感じになってしまいました。痺れているだけではなく力が入らないし、思ったように動かない。

作業をやめて様子見していたら、ゆっくりですが回復してきました。どうやらドライバでクリクリが原因のようです。トシなんで回復が遅い。そんな訳で、作業はスローダウン。3つ目のエレメントのクリーニング、まだ終わっていません。最もひどい状態の日には、お箸が使えなかった。フォークをスプーンを用意して・・・

和食をフォークとスプーンで食べたのは初めて。じゃぁない、大昔の離乳食以来かな。いやいや、アメリカの田舎町のショッピングモールのテイクアウト和食屋で食べて以来かな(その店、お箸がなかったんです)

思い出したぞ。その店、お箸がないだけではなくて「焼き魚」を注文したら「アジフライ」が出てきた。文句を言ったら「今日の焼き魚はコレです。間違いはありません」だと。

頑張って作業するのはいいんだけど、無理はよろしくないんです。今は多少の違和感はあるけど、お箸で食事できる程度には回復しています。

2020年11月17日 (火)

ESL-63復活と改造プロジェクト(7)

7.バスカットと保護回路7.バスカットと保護回路


この記事「ESL-63復活と改造プロジェクト」には「分解しました」「・・を外しました」などという記述がたくさん出てきますが、これは「私はこんな事をしました」という事を書いただけです。それが適切かどうかは分かりませんし、同じような事をなさって被害が発生しても、私としては何もできません。結果として、あなたの ESL-63 が粗大ゴミになっても責任は負いかねます。同じような事をなさるとしても、あくまでも【自己責任】でお願いします。

まずは「ESL-63復活と改造プロジェクト」の近況


ひどい状態の固定電極のクリーニングが終わりました。2ヵ月以上かかったけど、何とかなりました。これでエレメント2つ分ね。エレメントは全部で8個なんで、先は長いぞ。ふぅ~。今日の午後、3つ目のエレメントをバラシてクリーニングを始めました。まだ古い接着剤などを削ぎ落す段階なので、固定電極の状態はあまり見ていませんが、「ひどい」状態ではないみたいです。


さて、昔の改造の話続き
その頃ネット上で入手した回路図によると、(アンプからの)入力端子直後、昇圧トランスとの間に1.5Ωと220μFを並列にしたものが入っています。図面上では、ある周波数以下を減衰させる、いわゆるバスカットに見えます。並列に入っている220μFは両極性ケミコン(電界コンデンサ)。ケミコンは音が良くないし、両極性はもっと良くない。ケミコンには極性があって、逆方向の電圧をかけてはいけないんですけど、両極性ケミコンは「極性がない」「どちら向きの電圧をかけてもかまわない」ケミコンです。「極性がないケミコン」は不可能なので、実際には2つのケミコンの「-」端子同士を接続したような形になっています。普通のケミコンに逆電圧をかけるのは「禁止」なんですが・・・逆電圧をかけられたケミコンは、どても性能が悪いダイオードに順電圧をかけたような動きをします。これは音を悪くしているに違いない。低音が過大なわけでもないので、バスカットは必要ない。もし必用だったら、プリアンプとパワーアンプの間にケミコンなんか使わないバスカットを入れればいい。というわけで、このケミコンは外す事にしました。外すのは簡単。ニッパーで「プチッ!」とやるだけ。


どれほどの差があるかと、さっそく聴いてみたのですが、高音が出ない・・・なんで?
数日考えて気が付いたのは、ESLは「コンデンサスピーカー」だという事です(あたりまえか)。つまり、スピーカー自体が容量性なんです。という事は、抵抗(1.5Ω)とスピーカー自体がLPF(低域通過フィルター、高音カット)になっているようです。そこで、この抵抗を外す。抵抗の端子間をジャンパ線でショートしました。これで高音もきちんと出るようになりました。
それにしても・・・何でこんな回路(1.5Ωと220μFの並列)なんかが入っているんだろう???


ESL63には過大入力からスピーカーを保護する「保護回路」が付いていますが、これが、何と過大入力が入った時、入力端子間をトライアックで短絡するという物でした。過大入力が入った状態で入力端子間を短絡させると

・パワーアンプが可哀そう。普通、パワーアンプ側に保護回路が入っているので問題はなさそうですが

・短絡させるためのトライアックに大電流が流れる。

トライアックが壊れると保護にならない。から、抵抗を入れた。ら、高音がなくなった。ので、コンデンサも入れた。のではないか、という気がします。絶対に過大入力を入れないならば保護回路は不要。という事で、これも取り外しました。これも外すのは簡単。ニッパーで「プチッ!」とするだけ。
聴いてみて驚きました。過大入力ではない範囲の音がずいぶんクリアになった感じです。なんで?
その当時、回路図を見ても分からなかったのですが・・・今回のプロジェクトで分解したら判りました。過大入力検出部分の「アンテナみたいな記号」は、本当にアンテナだったのです。ESL63には、振動膜を球面状に振動させるための遅延回路が音声信号を昇圧した後にるんですが、このアンテナ、遅延回路付近の電磁波を拾っていました。過大入力が入ると電界(電磁界)の変動が大きくなるので、それを拾おうとしてるようです。が、アンテナからの信号はトランジスタで増幅され、それがタイマーIC(NE555)をキックしているんです。この回路では、保護回路を働かせる「しきい値」が明確ではない上に、タイマーICやトライアックのゲート電圧が不安定になってしまいます。555 への入力は「確実に Off か確実に On」であるべきで、中途半端な値であってはいけないでしょう。トライアックへの入力も同様。という事で、保護回路が半端な動きをしていたのではないか・・・と思っています。

どうであっても、音が良くなったので、まっ、いいか。

2020年11月 3日 (火)

ESL-63復活と改造プロジェクト(6)

6.デッドニング


この記事「ESL-63復活と改造プロジェクト」には「分解しました」「・・を外しました」などという記述がたくさん出てきますが、これは「私はこんな事をしました」という事を書いただけです。それが適切かどうかは分かりませんし、同じような事をなさって被害が発生しても、私としては何もできません。結果として、あなたの ESL-63 が粗大ゴミになっても責任は負いかねます。同じような事をなさるとしても、あくまでも【自己責任】でお願いします。

とりあえず、まともな音になったので、その状態で聞いていたのですが、どうも高域に「ひゃらひゃらした」固有音があるように思えてきました。せっかく貼った防塵フィルムを剥がして固定電極を固定しているプラスチックを弾くように触ると、かなり高い音の共振音が聞こえます。2~3kHzあたりか?バイオリンのE線(1弦)の開放弦あたりかなぁ・・・昔、楽器屋で「バイオリンのE線下さい」と言ったら、店員がA線を出したのを思い出したりして・・・プラスシック枠と固定電極を接着している時に気づくべきだったのですが・・・


こういう共振音が混ざると、音が濁ってしまうんです。共振周波数と等しい音が音源にあるならば、その音が強く響くだけなんですけど、音源の周波数の近くに共振があると、音源の音の振動で刺激されて共振が始まってしまい、共振音が出てしまいます。この共振音、アンプなどの歪などとは全く異なり、元の楽音とは全く関係のない音なんです。これが元の楽音と干渉すると、ひどい音になってしまいます。このような共振音がスピーカーのキャラクター、個性になっていたりして、そのようなキャラクターを好む人がいるのも確かです。でも、私の好みではありません。


どんな音かと言うと・・・アマチュアの、アマチュアとしてもレベルが低いオーケストラには正しい音程を出せない初心者が混ざっていたりします。すると「ヘタな楽団特有の」音になってしまいます。少数の初心者が出す音がオケ全体の音を台無しにしてしまっているんです。まぁ、アマチュアのオーケストラの場合は「おぉ、頑張って一生懸命演奏しているね(^o^)」でいいんですけど、ウチのスピーカーはそうはいきません。


共振をなくすには、共振する物を取り外すのが一番いいと思うんですけど、このプラスチック枠を取り外すわけにはいかない。なんたってエレメントの主要部分なんだから。そこで、プラスチック枠のデッドニングをする事にしました。デッドニングというのは、共振の強さ「Q」(Quality factor)を小さくする事です。振動した時、その振動のエネルギーを熱に変換して消費させる。結果として振動が小さくなる、という方法です。
すぐ思いつくのはブチルゴムですが、それだと剥がすのが大変です。その当時すでに「ESL63は、とっても華奢。いずれ大改造してエレメントは頑丈なフレームに固定したいなぁ」と思っていたので、簡単には剥がせないブチルゴムはやめ。結局油粘土を使う事にしました。プラスチック枠は格子状になっていて、枠1つあたり80個の枠があります。枠は長方形なので、320個の面があります。これに油粘土を付けていきました。プラスチック枠には固定電極が固定されていて、そこには高電圧(昇圧された音声信号)がかかります。固定電極の近くには油粘土を付けないように気を付けて・・・かなり時間がかかりました・・・
出来上がって聞いてみて驚きました。何に驚いたかというと・・・高音域の独特の響きがなくなったのに気づく前に、低音が圧倒的に改善されていたからです。振動膜~固定電極間の静電気力で振動膜が駆動されるわけで、ならば同じ力で固定電極も駆動されるわけで・・・油粘土で重くなった分だけ固定電極が動かなくなり、それだけ振動膜が正確に動くようになった、という事のようです。もちろん、高音域のクセはなくなりました。
ところで、この高音域のクセ、ESL63の高音域の「華」でもあったわけで・・・

2020年10月31日 (土)

ESL-63復活と改造プロジェクト(5)

5.プロジェクト概要

ここまで以前の修理、改造について書いてきましたが、このあたりで今回のプロジェクトについて少し書こうと思います。すでに書いた事以外にも改造したところもあるんですけど、それは後で書くとして、ちょっと目先を変えて。


その後も改造を重ねて「とってもいい音」が出るようになったんですが、数年で放電が始まってしまいました。ピアニッシモで耳を澄ませば放電音が混ざっているのが判る事がある状態から次第に悪化し、ついには聞くに堪えない状態になってしまいました。で、ESLはお休み。部屋の隅で粗大ゴミ状態のESLが眠っていました。捨てなかったのは「そのうち復活させる」つもりだったからです。
そういう訳で今回の復活プロジェクトとなったわけです。修理には分解が必用だし、どうせ分解して修理をするのならば、気に入らない点を全部改造してしまえ。で、「復活と改造」になったのです。


まずは修理。完全に分解して振動膜を張り替える。ネットで検索するとオーストラリアの店(イギリスではない!?)が修理キットを売っているのが分かりました。振動膜用フィルムと接着剤などなどのキットのようです。詳細は調べていませんが「必用な物一式」との事です。それがあるならば修理可能に思えるのでプロジェクトをスタートしました。・・・修理キット、まだ発注してない・・・


手順は天板、化粧ネット、防塵フィルムを外す。ここまでは簡単。次に、追加した接着剤やデッドニング材を剥がす。固定電極のプリント基板と、それを支えるプラスチック枠を傷つけないように・・・2台で1ヵ月くらいかかりました。(1日中やっているわけではないし、お休みの日もあるんで)(デッドニングについては今回書くつもりだったのですが・・・近いうちに書きます。)ここまでは難しくはありません。

次に分解してエレメントを外す。恐る恐るネジを外したりしながら1台を分解しました。予想していなかった構造だったりして、かなりの時間を使いました。オリジナルの筐体は使わないつもりなので、エレメントが破損しないように【だけ】に注意しました。あっ、高圧電源や音声信号の昇圧トランスもオリジナルを使う予定なので、これも壊さないように。


次は清掃。<----- 今ここ

固定電極は薄いプリント基板で、音が出るための穴が開けてあります。直系約 1.5mm の穴が基板1枚あたり約 12,000 個あります。1台あたりエレメントが4つ。エレメント1つに固定電極が2枚。2台で16枚の基板が使われています。問題なのは、その穴の中に古い接着剤のカスとか空気中の油分と埃の混合物とかが付着している事です。どうやってこれを掃除するか。油分と埃の混合物は大したことはないようですが、古い接着剤のカスを取るのが大変。すぐに思いつくのは「リーマー」なんですが、穴径が良く分からないし、インチサイズの可能性もある。リーマー自体は 0.1mm 単位であるんですけど、どれを買えば良いのか分からない。その上、安くない。(1本ン千円)(注:穴を大きくするための「テーパーリーマー」ではなく、穴の内側を仕上げる「リーマー」です。念のため。)色々試した結果、メガネ用のマイナスドライバで「クリクリ」やる方法に落ち着きました。それにしても、固定電極は1台あたり8枚。全部で16枚。始めてみると、1枚あたり1週間強。ならば全部で4~5ヵ月かな。最初のエレメントの2枚と、2つ目のエレメントの前面の基板はその程度で出来たんですけど、後面の基板が大変。後面の基板の振動膜側には布が貼ってあるんです。多分「これを貼ると高音が・・・」とか、いわゆる「音作り」の結果だと思うんですけど、こういう「あいまいな物」で音作りなどすべきではない。と思うので、この布は剥がして捨てる・・・剥がさないと穴の内側のクリーニングが出来ないし。ところが、2つ目の後面に使われていた接着剤が1つ目とは異なる上、分厚く塗られていました。更に振動膜側には塗料と思えるものがベッタリ。かなり分厚く塗られていました。この塗料、一部はひび割れていて、少しつつくとポロポロ落ちる部分もありました。こんな物が固定電極と振動膜の間に落ちると面白くないので、これも剥がす事にしたんですけど、これが大変。ポロポロ落ちる部分は簡単なんですけど、場所によっては強固にくっついている。削り落とすしかなさそう。サンドペーパーやスチールウールでは強力すぎて基板にダメージがありそうです。色々やってみた結果、スポンジたわしで削り取るのが良さそう。あまり強力ではないので、一気に削り取るというわけにはいきません。長い時間がかかります。その上、この接着剤や塗料、当たり前だけど穴の内側にも付着しています。眼鏡用ドライバで「クリクリ」とやっても、一気に落とすというわけにはいきません。という訳で長い時間がかかります。この1枚とは、もう2ヵ月も格闘していますが、まだ終わらない。まぁ、納期があるわけではないし、時間がかかるのは構わないけど、いつ出来るんだろう。残りの12枚にこんなのがない事を祈るばかりです。


改造(予定)

修理していて気になったのは、とにかく作りが華奢な事です。特にエレメント(発音ユニット)に外力がかかってしまう構造なのが気になります。取扱説明書には移動させる時にどこを持つべきか、なんて事が書いてあったような記憶があります。ひょっとしたらオーディオショップで聞いただけかも知れませんが。標準品(パンチングメタルの保護パネルがある状態)でも「持ち方注意」なんです。保護パネルは構造材でもあったんです。それを外しているので、大変。いずれにしても、ヘタな所を持って移動させたりしたら、エレメントに力がかかってしまいます。
そこで、強固なフレームを作って、それにエレメントを固定しようと思っています。フレームは絶縁物なのが望ましいので、アクリルの厚板を使う予定です。幸いアクリル板を加工して販売してくれる業者があります。最初は 30t くらいの厚板にエレメント部分の角穴を空けて・・・と思っていたのですが、10t くらいの板状のものを重ねてボルトで止める事にしようか、と思っています。理由はフレームが振動した時、アクリル同士が異なる動きをして、接する面の摩擦によって振動エネルギーをロスらせる事ができるのだは? と思ったからです。それに、薄い(と言っても 10t くらいですが)板を重ねた方が作りやすい。「部分的にカットして」が、「その部分の枚数を減らして」で済みそうだからです。
アクリルのフレームは木で作った外筐に「ゆるく」固定するつもり。外筐を持って扱ってもアクリルフレームにかかる力を最小限にしたい。高圧電源や音声信号の昇圧はオリジナルのまま。保護回路(過大入力があった時スピーカーを保護する回路)は全部撤去。保護回路にはサイリスタやツェナーダイオードが使われているのですが、音声信号の部分にそんな物が入るのは面白くない。サイリスタはOff状態だし、ツェナーダイオードは降伏電圧以下なんで影響はないんだろうけど、気持ちが良くない。過大入力を加えなければいいので、撤去。


早ければ来年の春ごろ完成のつもりだったけど、基板のクリーニングに手こずっているので、大幅に遅れそう。一体いつできるんだろう。・・・遅れても完成すればいいか。途中で失敗して本当の粗大ゴミになる可能性もあるんだし・・・でもなぁ。完成しないと聞けないんですよね・・・。などと言いながら、ここ数日は疲れを感じたので、それにDBの第2版に面白そうなアイデアを思いついたので、修理はお休み。

この後(清掃完了後)の予定は

採寸、フレーム設計、部材発注、組み立て。