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2018年1月17日 (水)

燃費の話4 加速とエンジンの熱効率

はじめに
私の車は10年くらい前のマツダ・デミオ(DY3W)1300cc、5MT です。最新の車ならば「気にする必要はない」事が混ざっている可能性があります。カタログ燃費は不明。中古車を購入したのですが、ちょうど燃費改善のマイナーチェンジを繰り返していた時期の車なので、正確カタログ燃費は不明です。多分、17.8km/L(10・15 モード)。メーカーに問い合わせれば分かると思いますが、分かったところで燃費が良くなるわけではないし。

きちんと燃費を計測して書いているわけではありません。瞬時燃費計もついていません。燃費の計測は「満タン法」です。というわけで、「こうすれば燃費が良くなるだろう」的なところがあります。きちんとした裏付けがあるわけではありません。でも、13km/L ~ 15km/L 程度の差がありました。道路環境はさほど悪くないので、絶対値はあまり意味がないと思いますが、相対値には意味があると思います。

加速とエンジンの熱効率
エネルギーのところに書きましたが、車体に与えるエネルギーは「(1/2)X車重X(速度の二乗)」です。この式には加速度は登場しません。という事は、どのように加速しても一定速度に到達するのに必要なエネルギーは同じなのです。アクセルを少しだけ踏んでゆっくり加速しても全開で飛んで行っても、必要なエネルギーは同じです。でも、燃料の消費は違います。
エンジンの熱効率や「何にエネルギーを使うか」が異なるからです。

エンジンの熱効率というのは、燃料を燃やして発生した熱エネルギーのうちどれだけが動力として出力されるか、という効率で、運転状態によって大きく変化します。

燃料を燃やして得たエネルギーは、まず「エンジン自体を回転させる」ために使う必要があります。エンジン内の摩擦抵抗などがあるので、一定のエネルギーを消費してしまいます。このエンジン自体によるエネルギー消費は、エンジン回転数の2.5乗に比例するらしい。回転数が上がれば上がるほど損失が増加します。

アクセルを踏んで回転を上げようとすると、「エンジン自体の回転数を上げる」ためのエネルギーが必要です。ニュートラルにしてアイドリングから全開にすると、約2秒程度で最大回転数に達すると思いますが、この2秒間に消費した燃料は全量が「エンジン自体を回転させる」ため、「エンジンの回転数を上げる」ために使われているのです。

・低速ギアでは引っ張るな。
低速ギア、特に1速では「車を加速させるために使ったエネルギー」と「エンジンの回転数を上げるために使ったエネルギー」のどっちが大きい? てな事になりかねません。1速で全開、2速に入れてまた全開などとやると、燃費は大幅に悪化します。早目に上のギアに入れましょう。

・各ギアの最低速度(最低回転数)を把握しよう
早目にシフトアップするにしても、回転数が下がりすぎるとうまく走れない。各ギアでの最低速度、定速で走れる最低速度、緩加速可能な最低速度、普通に加速可能な最低速度を把握し、状況に応じてシフトアップのタイミングを決めましょう。

・アクセルは【回転を上げずに】大きく踏み込め
その方がエンジンの熱効率が高いからです。ATの場合は「回転を上げずに」が難しいと思いますが、キックダウンしない範囲で大きく踏むと燃費が良くなるはずです。トルコンATではシフトアップ可能な速度になったら、アクセルを緩めてシフトアップを誘発するなんてテクニックもあります。要するにエンジンやATを制御するコンピュータを騙すわけですね。。。。でも、騙されてくれないかもしれない。。。

CVTの場合はどうなるんだろう・・よくわかりません

この意味で、「ふわっとアクセル」=「できるだけアクセルを踏まない」は誤りです。上手に適度に踏む方が燃費はいいはずです。やめた方がいいのは(1)全開にする、(2)急激にアクセルを踏む。です。どちらもコンピュータさんが「パワー欲しいのね、ならば・・」と解釈して、燃料を多めに供給する(ガスを濃くする)可能性があるからです。

・加速しすぎるな
前にも書いたように、必要なエネルギーは「到達する速度」で決まります。加速しすぎたので減速・・などとやると燃費は悪化します。前走車との距離、速度差、その先の信号などを見ながら必要最小限するのがいい。もっとも、周囲の車の流れを妨げると危険な場合があるので、臨機応変に。

・おまけ 熱効率のいい領域
アトキンソンサイクルのエンジン(プリウスのエンジン)や、ダウンサイジング・ターボには適用できないかもしれませんが・・・
一般に、最大トルクが発生する回転数より少し低い回転数(3000 rpm 程度)で、アクセルを 3/4 程度踏んだ状態が熱効率が最も高く、そこからか外れるにしたがって効率が低下します。なので、その回転数、アクセル開度だけで走れば・・なんですが、スピードが出過ぎてしまい、不可能です。でも、できるだけ近い条件で走るようにするのは有効だと思います。
小排気量車ならば、登坂時に3速3000回転とかが使える場合もありそうですね。

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