« Windows 10 | メイン | ギョエテ状態 »

2015年7月29日 (水)

ベートーベン、ベートーヴェン、それとも・・・

「ヴ」という字があります。
国語の時間では「あ行には濁点、半濁点は付かない」と習ったのですが、「ヴ」が使われています。
小学生の頃、先生にだったか親にだったか質問した事があり、どうにも釈然としない変な気分だったような気がします。

「ヴ」は英語のB音とV音を区別するために誰かさん(確か福沢諭吉先生)が発明したのだそうです。
ベートーベンよりもベートーヴェンが元の音に近いんだそうです。
でも、私、「ヴ」をどのように発音するのか知りません。「ベートーヴェン」と書かれていても「ベートーベン」と発音します。
そりゃ~そうでしょう。日本語には「ヴ」という音はありませんから。
日本語には「ブ」と「ヴ」を区別しないと別の意味になってしまう言葉はないようです。少なくとも私には思い当りません。
でも、使われているんですよね。

RecLib のようなデータベースアプリを作っていると、これは困った事になります。
データーベースに入っている「ベートーヴェン」というデータを「ベートーベン」をキーとして検索しても見つからないからです。
これが見つかるようにするには、アプリで対応するしかありません。結局、「バ」と「ヴァ」、「ビ」と「ヴィ」・・・「ボ」と「ヴォ」を
同一視する事で解決しました。この「同一視する」は、まだテストプログラムを作って遊んでいた時期(ごく初期の段階)で、
どりあえず「この方法で良し」として作ったのが現バージョンのシステムです。
この時期には「ヴ」以外に「グラナドス」と「グラナードス」を区別しない(長音記号「-」を無視する)とか
「モーツアルト」と「モーツァルト」を区別しない(カナの大文字と小文字、アとァなどを区別しない)、
「交響曲第5番」と「交響曲第五番」(漢数字をアラビア数字に置き換える)などを行いました。 

システム作りがかなり進んだ頃、「ワーグナー」の問題に行き当たりました。ワーグナーは「ヴァーグナー」とも書かれるのに気づいたのです。
バとヴァを同一視するといった「小細工」で対策しているので、簡単に出来る方法は「ワ」と「ヴァ」も同一する事なんですが、
そんな事をすると「バッハ」=「ヴァッハ」=「ワッハ」、「ワカ様」=「バカ様」=「ヴァカ様」になってしまいます。
さすがにそれは出来ず、といって適当な対策も考えつけなかったので、これは放置しています。

それにしても

Ludwig van Beethoven は通常、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンと書かれます。でも、これ、変です。
Ludwig をルートヴィヒはドイツ語読みですが、ヴァン・ベートーヴェンは英語読みじゃあないですか。
英語読みならば「ルドウィグ・ヴァン・ベートーヴェン」くらいだろうし、ドイツ語読みならば
「ルートヴィヒ・ファン・ベートホーフェン」くらいだろうと思います。
元の音を表すために「ヴ」と書くと言いながら、前半がドイツ語読みで後半は英語読みとは・・・

元の音に近い、BとVを区別するならば、LとR、SとThなどは区別しなくていいのかしら。
「なに、日本人はライスを食べるのか。信じられない」とはアメリカ人の友人の言葉ですが、意味不明だと思います。
ライスがカタカナで書かれているから意味不明なのです。

「なに、日本人は lice を食べるのか。信じられない」(lice は louse の複数形、シラミ)
残念なことに、「ライス」の音は rice より lice に近いのです。だからと言って、ラ行にマル(半濁点)などを発明する気はありません。
どうせ聞き分けられないし発音できないから。

これを書いているうちに「Vを無条件にヴと書いたものがあるのでは?」というのを思いついたので、ググってみました。
そうしたら、けっこう見つかりました。

Tchaikovsky(チャイコフスキー)「チャイコヴスキー」「チャイコプスキー」
Herbert von Karajan(ヘルベルト・フォン・カラヤン)「ヘルベルト・ヴォン・カラヤン」
Carl Maria von Weber(カール・マリア・フォン・ウェーバー)「カール・マリア・ヴォン・ウェーバー」
Prokofiev(プロコフィエフ)「プロコフィエヴ 」
Rimsky-Korsakov(リムスキー=コルサコフ)「リムスキー=コルサコヴ」
Rachmaninov(ラフマニノフ)「ラフマニノヴ」

探せばまだまだ見つかるだろうなぁ。面白がっているうちはいいんだけど、これに対応したデータベースアプリとなると・・・頭いたい。

コメント

コメントを投稿